「リトル・マーメイド」実写版の出来栄えは?映画館で見るべき?速報レビュー

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本日6月9日(金)に公開されたディズニーの不朽の名作アニメ「リトル・マーメイド」の実写映画版を劇場にて鑑賞しました。公開前から色々と話題になった本作の出来栄えはいかほどだったか、早速レビューしたいと思います。

公開前から物議を醸した話題(問題?)作

本作、公開前から話題になったのはまずキャスティング。

ご存知の通り、本作はディズニーが1989年に発表し、全世界で大ヒットしたアニメーション映画「リトル・マーメイド」を元にしています。実写化に伴い注目された人魚の主人公アリエルにキャスティングされたのは、黒人女性の新人女優ハリー・ベイリー。彼女は当初、姉妹でYouTubeに歌声をUPしていたようで、そこから注目を集め、本作の主役に大抜擢されたという、流石ディズニーなシンデレラ・ストーリー。

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参考:ハリーベイリーの姉妹のYouTube動画(お姉さんもめちゃくちゃ歌上手いですね)

予想通り、この配役には世界中で様々な意見が飛び交いました。

Aさん
Aさん

なんで白人役に黒人女性がキャスティングされるんだ!おかしい!

Bさん
Bさん

ディズニーはLGBTQを意識しすぎだ!(白人の赤髪の女の子がアリエルなのに!)

Cさん
Cさん

これも時代に合わせてということだよね。どのみち絶対見る!

そんなある種炎上効果もあってか、昨年11月に公開された本国の予告編の視聴数は、現時点で2900万回を超えています。

とはいえ、起用の理由としてまず挙げられたであろう、ハリー・ベイリーの歌声はこの予告編を見るだけでも伝わりますよね。高音が特に美しいなと感じました。

あらすじ&キャスティング

改めてご存知ない方向けに、「リトル・マーメイド」のあらすじを。

海の王国を司るトリトン王の末娘で、世界で最も美しい声を持つ人魚姫アリエル。まだ見ぬ人間界に憧れる彼女は、嵐に巻き込まれた人間のエリック王子を救うため陸に上がる。人間界への思いを抑えきれなくなったアリエルは、海の魔女アースラに提案され恐ろしい取引を交わす。その内容は、3日間だけ人間の姿になる代わりに、美しい声をアースラに差し出すというものだった。

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加えて、上記のハリー・ベイリーに加えてその他のキャストも確認しておきましょう。

アリエル:ハリー・ベイリー(cv. 豊原江理香)
エリック王子:ジョナ・ハウアー=キング(cv. 海宝直人)
アースラ(魔女):メリッサ・マッカーシー(cv. 浦嶋りんご)
トリトン王:ハビエル・バルテム(cv. 大塚明夫)

他にもアニメーションで生き生きと活躍するアリエルのアニマルフレンドたち(トリトン王の執事で🦀のセバスチャン、その友人のカツオドリのスカットル、お魚のフランダー)もキャストクレジットされています。

レビュー・感想

そんなある種いわくつきの本作、どうだろうかと期待と(より大きな)不安を胸に公開初日の本日鑑賞してきました。鑑賞フォーマットは、アリエルの歌声初め懐かしの音楽も楽しめるかと思い「Dolby Atmos(字幕版)」で鑑賞してきました。

本作、5点満点(0.5点刻み)で星をつけるとすると、個人的には3.0点という印象です。

具体的に良いなと思ったおすすめポイントと、
ここはどうかな〜といういまいちポイントで整理してみます。

おすすめPoint❶ Dolby Atomosで正解!楽しい音楽とキャスト陣の歌声!

まずやはり、歌声や音楽は素晴らしかったです!
アリエルの歌声もそうなのですが、特筆すべきは、アースラ役のメリッサ・マッカーシーさんの歌声も含めた存在感が抜群でした!(アニメーションの時のあの魔女の不気味さはいまだに忘れませんが、実写でもいい感じに表現されていたと思います)
そして、Point❷にもつながりますが、アリエルを支えるサブキャラのセバスチャン、スカットル、フランダーの披露される楽曲も楽しげなシーンが多く、ディズニー音楽を支えるアラン・メンケン氏作曲の様々なスコアを堪能することができました。

おすすめPoint❷ リアルすぎて無理、、と思ったが意外に◎なサブキャラ達

上記でも一部記載しましたが、サブキャラの蟹/鳥/魚の3匹トリオがいい味出してました。
当初、実写化となると、アニメーションの時の可愛げが完全になくなり、絵面だけではリアリティがありすぎて「これじゃ感情移入できないだろう…」と予想したのですが、結果的にはセリフがついたことで、(見えづら的にはずっとリアルで厳しいのですが)それがかえって、逆に愛着が持てるような感じがしてしまいました。

おすすめPoint❸ チャーミングなアリエルと存在感抜群の魔女

個人的にはなかなか最初は主人公アリエル/ハリーベイリーに対して共感を持つことができずでした。危ないとリスクが明確な場面でも人間の世界に注意を聞かずに向かってしまう点や、やはり白人・赤髪のアニメーション時のアリエルの姿が脳裏にちらついてしまい、それとのギャップという所も影響していたかもしれません。とはいえ中盤から、声をアースラに奪われ仕草のみで王子と心を通わせるシーンでは、アリエル/ベイリーのチャーミングさがより際立ったような気もしましたし、そうした点で悪くはないのかな、という最終的な印象に変化しました。

またこちらも上述した部分もありますが、なんといってもアースラ役のメリッサ・マッカーシーの存在感はピカイチでした。原作の不気味な印象に加え、迫力のある歌唱力、そして最後の巨大化のシーンもビジュアル的にインパクトがありました。

いまいちPoint❶ これはどうなの?と思うツッコミ展開多々

と、上記まずは良かったなと思う点を挙げつらってみましたが、総じますと、うーん、、と思うところがやはり多かった気もします。以下列挙してみます。

・改めて見てみると、アリエルとエリック王子の恋に落ちるスピード早すぎない?
→これは原作の時点で(というかディズニープリンセスあるあるかもですが…)同じかもしれないですが、海で遭難しほぼ相手が見えていない状態で歌声しか残っていない相手を好きになる王子と、難破寸前の船で男気を見せる、かつ人間に興味を持っているとはいえ、ほぼ初対面の会話もしていない相手に恋をしてしまうというアリエル。アニメーション映画として見ると多少のファンタジーも含めてそこまで気にならなかったことだった気がしますが、実写となるとこうした感情の変化のリアリティをより敏感に感じてしまうが故に、引っかかってしまった気がしました。結果的に、配役的な部分では個人的には黒人キャストという所は悪くなかったのかなとは思ったのですが、上記のようなキャラクターの組み立て方という点では、アリエル/エリックともになかなか感情移入しにくい点が正直あったかなという印象です。

・キャスティング含め存在感いまいちなエリック王子
→上述の通り、自分を救ってくれたとはいえはっきりと言葉も交わしていない女性に恋をしてしまうという感じや、かといって目の前に現れた得体の知れないかつ言葉も交わせない黒人女性に惹かれていく設定にかなり王子として、男性として、大丈夫なのか?という疑問がかなりつきました。そして、アリエルと2人きりになるシーンでは、3匹からキスに躊躇いなよなよしてる所を指摘されたり笑(キース、キースのコールを聴くなんて小学生以来です 笑)アースラが麗しい女性に変身し登場した際には、「自分でもわからない」という都合の良い言い訳で言いくるめられてしまうという展開もあり、かなり頼りない感じがしました。演じたいかにもイギリス出身なジョン・ハウアー=キングさん。俳優さんとしても、歌もお上手だと思いますし、イケメンだとは思いますが、美女と野獣の時の狐狼の王子役を演じたダン・スティーブンスのような切れ味はなく、どこまで支持を得られるのだろうか、という気がします。

・その他気になった・個人的に不満な展開
→以下いくつか細かいですが気になった展開です。
・アリエルがアースラに最後に海に連れ戻されるシーン、そのすぐ後にエリック王子が海の中のアリエルを救いに来ますが、そもそもどうやって追いかけてきたのか、海にそこまで潜れたのか、という所に無理を感じました。
・そのすぐ後に、アースラが魔法で王子とアリエルを攻撃しようとしたら、アースラの手下の電気うなぎ二匹が攻撃を自らくらいに行くようになったモーションが非常に不自然でした。
・アリエルとエリック王子が馬車に乗って島を遊覧するシーンですが、アリエルに手綱を渡した途端、あまりに乱暴に手綱を引くアリエル。(そしてそれによって他の人を轢きそうになるシーンが連続して起こります)人間の世界に興味はあると言っても、流石に初めてのことに対して多少慎重になるのが普通な気がしますが、その後の他者への迷惑描写含め、個人的に描き方がちょっと乱暴な気がしました。
・最後の2人が結ばれ海へと新しく出ていくシーン、人魚の仲間たちも見送るのはいいのですが、7つの海の娘たちの登場が薄すぎてもっと海の中を描くシーンで活躍してもらっても良かったのでは?という気がしました。(とってつけた感が満載と言いますか。)

総評

上記、総じてキャスティングや脚本の部分が色々と目についてしまい3.0点とします。
とはいえ、音楽や歌唱面、さらにサブキャラ含めて楽しめる点もあるかと思います。
(総じて、大人の鑑賞というよりは、恋愛面の描き方含めて、対象年齢は若干低めかな、という印象です)

映画館鑑賞推奨率 + 国内興行収入予測

総評は上述した通りですが、ハリーベイリー初めキャスト陣の歌唱力は確かなものがありますし、ディズニー音楽も楽しめる点で映画館、特にDolby Atmosでの鑑賞をおすすめします。推奨率は90%という所でしょうか。

また、国内の興行収入については、キャスト陣などへの評価を初め賛否が割れることが予想されますのと、まだまだマリオやコナンなどアニメーション映画が非常に強いところもあるので、35-40億円前後が最終的な興行収入の着地点となるのではないでしょうか。(50億円はちょっと厳しいような印象です..)

以上となります。読んでくださりありがとうございました!

END

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